はるログ

日々の思考を垂れ流します

映画「海街diary」が今年のナンバー1に決定しました

海街diary、手放しに「最高」と言えます。

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http://109cinemas.net/events/umimachi/

今年いちばんです。間違いなく。ビジュアルが公開されたときから、「これはぜったいに良い」と思っていましたが、その期待を上回る完成度。べた褒め。

些細な日常の素晴らしさ

鎌倉の古民家で暮らす4姉妹の日常が、四季を通して描かれます。家族を大切にするその方法は、4人いれば4通り。

しっかりしなきゃと家族を支える長女、自由奔放ではっきりと意見を言う次女、穏やかでいつでも笑顔を絶やさない3女、明るくて活発だけど気遣いのできる末っ子。バラバラな個性を持った姉妹が物語の中で少しずつ絆を深めていくその過程を、ときにはくすっと笑いながら、ときにはうるっと目に涙をためながら見守りました。

そばにいる人の存在

姉妹の近くにいる人たちも、素敵な人ばかりです。とくに、末っ子「すず」と仲良くなる風太前田旺志郎くんの熱演も光って、映画の中で大きな存在感を放っています。

父親を亡くして鎌倉に引っ越してきたすずが、風太にだけずっとため込んでいた悩みを打ち明けます。それを笑いで返す返すおちゃめな風太ですが、そのあとにすずをある場所に連れていって彼なりにすずを元気づけようとする。そんな不器用だけどあったかい優しさにまたうるっとしてしまいます。

近くにいる人を大切にして、そして大切にされながら日々を過ごすこと。海街では、そんな当たり前のようで当たり前じゃない幸せが描かれているのです。

印象的な食事風景

海街では、食事シーンも印象的。

ある日、末っ子のすずが同級生の家のしらす加工業を手伝い、お土産にしらすをもらって帰ります。次の日、姉妹でちゃぶ台を囲んでしらす丼を食べるのですが、すずは大好きなしらす丼をどんぶりに口をつけて勢いよくかきこみます。

これを長女の幸が「かきこまないっ」と注意すると、すずはすこし嬉しそうな顔をします。実はこれ、すずが鎌倉の家に越してきて、姉妹の一員になってはじめて受けるお説教なのです。それまでは仲良くしながらもやっぱり「他人」だった関係から、本当の姉妹になりつつあることを教えてくれるとてもいいシーン。借りてきた猫みたいだったすずが、すこしお行儀の悪いところを見せはじめるのにも、またうるっときてしまいます。

 食事があって、それを囲む人がいて、食事はいつも何かしらの役割を果たしていました。思い出を分け合うためにちくわカレーを食べたり、しらすトーストが父親の過去をたどるきっかけになったり、フライ定食が元気をくれたり。いい映画って、食事が魅力のひとつになっていることが多いなと思います。

とにかく観るべき

です。

物語としては淡々としているといえばそうなのですが、観ているこっちの感情はもう常に「やばい涙が…」状態。観に行くときの注意点としては、客層を考えることですかね。絶対に静かに落ち着いて観れる映画館がいいですよ。